自分を守れ!仕事をする際にこれだけは知っておきたい労働法のまとめ

「給料下がったぁ~」とか「辞めたいのに辞めさせてくれない」とか、会社に勤めていると色々な事があります。
各会社のルールは聞く人、勤めている会社によって様々。
中には会社のルールと労働法とどちらが正しいのか迷ってる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際お仕事をする際に知っておきたい労働法をまとめてみました!

労働法って一体なに?

「労働法」という法律は無く、労働問題に関する法律全体の総称の事をさします。
労働基準法、労働組合法などは良く耳にしますし、他には男女雇用機会均等法や最低賃金法など労働法には数多くの法律があります。
働く人を守ってくれる法律の事です。

有給はどんな理由でも取る事ができる

有給は「労働基準法第39条」で認められた権利で、週5日フルタイムの勤務でしたら入社6ヶ月時に10日間の有給休暇が付与されます。
有給休暇は可能な限り請求した日に与えなければならないとされており、基本的には断られる理由はありません。

たまに冠婚葬祭のみ有給可なんて話も聞きますが、そんなものは会社の勝手な理由で有給を取れない理由にはなりません。
遊びでもドラクエやり込みでも理由は何であれ有給は取れます。理由など言う必要は無いのです。

有給は取りたいけど、

  • 上司が取ってないから自分も取りづらい
  • 理由が旅行だから取りづらい

そんな理由からなかなか有給を取れない方が多いかもしれません。
日本の有給消化率は世界から見ても低いのです。

ただし、組織でお仕事をしている場合は有給を取るタイミングも考えなければなりません。
「どんな時でも権利は権利!」言ってる事は正しいですし、有給はいつでも取れます。
ただ人手が足りない時や重要な案件の場合など、優先すべき仕事が存在する事も事実です。
自分が有給を取った分、誰かが代わりに業務をする必要も出てくる事でしょう。
その場合は、前持ってスケジュールを立て前々から相談しておくと迷惑を掛ける事なくスムーズに有給が取れると思います。

皆さんが「お互い様」という気持ちを忘れずに権利は主張したい所ですね。

最低賃金以下は違法?

最低賃金とは、最低賃金法に基づき労働者に保障された賃金の最低額の事を言います。
都道府県に定められている「地域別最低賃金」と、特定の産業に定められている「特定最低賃金」の2種類があり、地域別最低賃金は職種に関係なく全ての労働者に適用されます。

最低賃金は時間給だけじゃなく、日給や月給にももちろん当てはまります。
労働時間を時間額で算出すると1時間単位の賃金が出ますので、もし最低賃金に満たない場合は労働基準監督署に相談した方が良いでしょう。

また最低賃金は地域によって異なりますのでご注意ください。

労働時間6時間を超えた場合、必ず途中で休憩を入れなければならない!

休憩時間については労働基準法34条1項で定められています。

  • 労働時間が6時間以外の場合は、休憩時間は不要です。
  • 労働時間が6~8時間の場合は、45分以上の休憩を途中で入れなければなりません。
  • 労働時間が8時間を超えるの場合は、60分以上の休憩を途中で入れなければなりません。

こちらに該当しない場合は違法です^^

また「途中休憩」というのが重要で、必ず仕事の途中に休憩を入れなければなりません。
例えば、8時間労働で7時間は通し、最後の1時間を休憩する場合があったとします。
これは「違法」です。
必ず「仕事→休憩→仕事」という風に「労働時間の途中に与える」という事が労働基準法34条1項で定められています。
休憩が分割になっている場合は、合計で休憩時間が満たされていれば違法にはなりません。

アルバイト・パートでもルールは同じ

立場によって悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、アルバイト・パート・契約社員・派遣社員であってもルールは全く同じです。
もし正社員だけが優遇されているなんて事があったら、それは違法です。

残業中の休憩は必要?

上記の

  • 労働時間が6~8時間の場合は、45分以上の休憩
  • 労働時間が8時間を超えるの場合は、60分以上の休憩

こちらが守られていれば違法にはなりませんので、会社として休憩を与える義務はありません。
残業が酷い・・・という場合はまた別のお話になってしまいますね。。。

休日は最低毎週1日は取らなくてはならない

休日は「毎週1日以上」を与えなければならないと定められています。
労働基準法32条では1日8時間、1週間に40時間が法定労働時間となっており、

  • 所定労働日数1日8時間の場合105日以上の年間休日
  • 所定労働日数1日7時間の場合68日以上の年間休日

こちらの年間休日が必要となってきます。

この日数に満たず残業代も払ってもらえてない場合は違法の可能性があります。

時間外、休日労働

労働者に時間外、休日労働をさせる場合は36協定(労働基準法第36条)を締結し、所轄の労働基準監督署に届け出ることが必要となります。

時間外・休日労働の賃金は?

時間外(残業)や休日出勤、深夜労働(22:00~翌朝5:00)の場合は割増賃金を支払うと定められています。

  • 時間外・深夜労働の場合、25%以上の割増率を上乗せ
  • 休日労働の場合、35%以上の割増率を上乗せ

36協定を締結していれば、時間外労働時間の上限は無いの?

1日8時間、週40時間の労働時間を超える場合には残業代さえ払っていれば、いくら働かせてもいいの?と思ってしまいます。
いいえ!36協定ではきちんと上限は決まっています。

  • 【1週間】原則15時間まで
  • 【2週間】原則27時間まで
  • 【4週間】原則43時間まで
  • 【1か月】原則45時間まで
  • 【2か月】原則81時間まで
  • 【3か月】原則120時間まで
  • 【1年間】原則360時間まで

この時間の時間外労働時間を超える事は出来ません。

臨時等の特別な場合「特別条件」を付ける事で、上記時間を上回って仕事をする事はできますが、原則として「突発的な場合や理由」の場合のみであり、通常に定められた時間外労働時間の上限を超える状態が半年以内と決められています。

退職届を提出してから辞めるまでの期間は?

会社によって退職届を提出してから辞めるまでの期間は様々です。
これは会社が定めたるルールの中で決まっている期間があるからですが、法律上ではどうなのでしょうか。

民法の規定

民法第627条では、「当事者が雇用の期間を定めなかった場合、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができ、雇用は解約の申し入れの日から2週間を経過する事によって終了する。」となっています。
期間を定めないで雇用した時は、民放上2週間で退職ができるという事になります。

労働基準法の規定

労働基準法第20条では、「労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日前に伝えなければならず、30日前に伝えない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」となっています。

解雇?退社の話は?とお思いになると思います。
実は労働基準法では社員からの退職届提出に関する期間は何も定められていません。
自ら退職する場合は民法の2週間が適用されるんです。

会社によって退職届提出から3カ月と言われる場合もある?

会社によって退職届の提出から3カ月とか、半年などルール化している所もあります。
これは会社のルールとして記載しているだけでしたら法律上問題はありません。
ただし、上記の民法第627条を適用する上でのルールを理解した上での記載の場合のみです。

会社がどれだけ決め事をしたとしても、民法上2週間以上前に退職届を出された場合は、会社のルールがどうであろうと会社は退職届を受け取らなければなりません。

どんなに不景気でも正当な理由が無い場合は給料は下げられない

不景気で給料がカットされた・・・などここ最近では聞こえてきます。
「残念だけど仕方ないか」なんて思っていたら大間違いです。
お給料は会社が一方的に下げる事は出来ないんです!!
お互いが合意しなければ下げられません。

お仕事をする際には会社と労働者が合意で「労働契約」を結んでいます。
労働契約の基本ルールとして、変更がある場合は会社と労働者、労使の対等の立場における合意によるのが原則となっていますので、お給料を支払う方が偉いなんて事はありません。むしろ、勝手にルールを変えるなんて事があってはいけない事なんです。

もし、合意を求められたら拒否をしてください。
書面に印鑑など押してはいけません。合意した事になってしまいます。

解雇予告無しに即日解雇は有り?

労働基準法第20条では、「労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日前に伝えなければならず、30日前に伝えない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」となっています。
いきなり解雇!はありえません。

また、業務上のケガや病気・産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇は禁止であり、結婚や妊娠、出産などの休業を理由にした解雇もできません!
理不尽な解雇など世の中無いという事です。

解雇予告が不要な場合もあります

そうはいっても、解雇予告が不要な場合もあります。

  • 従業員の故意な過失や事故があった場合
  • 天災地変により事業の継続が不可能になる場合

こういった場合は解雇予告なしに即時解雇をすることが出来ます。
会社が解雇を行う前には労働基準監督署長の認定を受ける必要があります。

まとめ

まとめてみると法律上で守られている権利というのがよく解りました。
私も昔残業残業で家に帰れない事もしばしばあり、その時のお給料を自給計算したら400円だった事もありました。
残業代含めて計算したので結構やばかったですね(笑)

たまに仕事の内容を理解せず、帰り支度して出口に向かって歩きながら「早く帰ろよぉ~」という方がいますが、これ注意してくださいね。
いざという時「こちらは帰宅する旨を伝えた」なんて言いかねません。
どうしても処理しなければならない場合は、しっかりと巻き込んじゃいましょう^^

会社を辞める際には、少なからず自分が辞めた後に誰かが業務を引き継いだりと大変な部分を渡す事になります。
権利ばかり主張せず、そういった部分も配慮してお互い円満で新しい道へ進むのが一番良い事ですね。

どうしても苦しい時は迷わず退社を考えるのも一つの手です。
心が壊れてしまっても、喜ぶ人は誰もいません。
心が壊れてしまうまで務めた会社は何もしてくれません。

自分の幸せな未来を優先で^^